犬神家の一族 &雑記・雑感
今、BSで「犬神家の一族」をやっています。いいですねぇ・・・おそらく、完全版だと思います。
この映画の主人公は、昭和の空気、血族の因習、戦後日本人が培った敗戦からのカタルシス・・・
のような物・・・
音楽も良い。
この物語の中に、日本が終戦を期にして、生まれ変わる厳しくて悲しい胎動のような物を感じる。
戦争によって、軍事大国の夢によって、閉じ込められた日本人の古代から伝わる、血族同士の諍いのエネルギーを再び、この話しから受け取る。
那須の背景もどこか日本神話の世界のようだ。
「犬神家の一族」は、実は古代神話を近代的にリニューアルさせた日本人の福音書のような気がする。
殺人、トリック、親族から受け取る、愛と憎しみ、不条理・・・
それを受け取って生きて行く。
金田一は、その閉じ込められた日本人の因習を開封して、明らかにして、洗浄して去ってゆく。
埃払いの役割だ。
懐古美の好きな私は時代設定に忠実に再現されたセットも楽しい。
石坂浩二も良い。なにか中性的な色気があって、事件を起こす、登場人物達、警察関係達、どれにも属さず、お話のナビ役として、どんなシーンでもくっきりと浮かび上がっていますね、良い意味で、浮いてる。
金田一は、惨たらしい事件の渦中にいて、視聴者に異世界の中継役として存在している。
異世界(因習の犯罪世界)と現世の中継役、事件の通訳かな。
その通訳(金田一)はいわば薄幸で生活能力が無く、人の援助(パトロン)に頼って生きている。
事件が無ければ、今風に言えばニートでパラサイトですね。
その欲が無く、世俗の空気に揉まれてない日常が、探偵としての彼の素養を磨いているかもしれないとしたら、高度経済成長で日本人が失ってしまった多くの物(情緒、美徳、慎み・・・?)を体現していると思ってしまう。
金田一耕助シリーズ、BSで連休中にやるみたいですね、楽しみです。
渋谷のワイン・バーで
ミックさん
からお店の質問があったので、載せておきますね。
http://www.foodrink.co.jp/next-vogue/200606/060623.php
渋谷デパ地下で。
サスペンスは好きですが金田一耕助って言うのは読んだことがないみたい。
by (2007-04-29 12:41)
渋谷のワインバー場所どこですか?
なんだか、良い感じです^^
by ミック (2007-04-29 16:31)
血縁のアヤが織りなす泥沼の地獄劇は
金田一シリーズの特徴ですね。
by atelier-northern-photo (2007-04-29 16:58)
旧家のお嬢様や奥様を演じられる女優さんが今はいなくなったように思えます。
横溝正史の作品は旧家を舞台にしたものが多いので、現在ではこういう映画のキャストは難しくなると思います。
だからこそ、昔のシリーズは貴重ですね。
by サンダース (2007-04-29 20:22)
mimimomoさんこんばんわ、金田一シリーズは沢山ありますし、設定が怨念!復讐!とどろどろした物が。^^;でも横溝さんの文体は優しくて、時々読者の視点にたった語り口になったりしますので、読みやすいですよ。^^
ミックさん♪ん、お店のHPを追記しま〜す。ここはオフィスから歩いて4〜5分かな。最近沢山お店が増えました嬉しい♪
Rightwillさん、うんうん、金田一さん事件ですよ。ほらこんなに恐い殺人がてんこ盛り♪泥沼のミルフィーユに今夜も耕助さんはダイブ。
たまには、殺人が起きる前に事件を解決してほしい物ですね。^^;
サンダースさん。そうですね、あと陰り有る雰囲気の男優さんも。
キャスト・・・稲垣君の新シリーズも好きですが、署長さんとか、殺人の
キーワードの怨念を背負うような女優さん、見あたらないですね・・・
コンビニ世代のコンビニ女優や男優さん、金田一の世界のDNAとは相容れないようですね。皇族にやって頂くとか・・・(バチあたりな!)
by kitazawa (2007-04-29 23:26)
金田一耕介シリーズのあの湿気が苦手ですけど、物語のあの構成力は横溝正史さんに拍手を送りたいですね。あの湿気がまたファンにはたまらないんでしょうね。サスペンスには必須。カラッとした金田一って想像できない^^
kitazawaさんのおっしゃる「金田一」観、納得です。
>今風に言えば、ニートでパラサイト。
ますます納得です。いや、深い!
by サブリナ (2007-04-30 12:55)