大江戸曲者列伝 太平の巻 新潮新書 [研究・解明]
著者は「幕末気分」等の江戸・幕末の時節や風俗に詳しい野口武彦さん。
これも、面白かったです。
城仕えのお侍にも、陰湿なイジメの世界があった・・・
散々な仕打ちに耐えかねて、遂に人情に及んだ若侍、父性愛の神様、勝海舟のお父さん、小吉の逸話等々・・・
人間味溢れて、親近感を覚える物ばかりです。
明治維新の脚光の影に隠れて、あまり着目される事のない、幕末前後の江戸の街の風情、人情、事件、愛憎・・・ドラマチック!
また、勘定組頭(今の財務官僚)の公金横領事件簿は興味深いです。^^
横領で羽振りの良くなった土山宗次郎は本郷の高台に豪邸を建てた。それは「酔月楼」と名付けられて江戸の名所になった程で名士を招待して宴会を開いた。土山邸の招待者になるのはちょっとした名誉で、今で言うヒルズ族みたいなもんだったんでしょうね!
高台に豪邸なんて、今も昔も成功者はたか〜い所がお好きなようで。^^
さらに遊女を高値で落籍させたり、今で言う写真週刊誌を騒がせるような事をしていたんですね。
彼がどうなったか、はまだ未読の方は書籍でご覧下さいね。
とにかく分かり易くためになる歴史が身近に感じられる、好きになる。
こんなのが教科書に載っていたらなぁ・・・
とつづくづく、教わるという事の楽しさを味わえる名著だと思います!
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