ザ・コーブ 感想 [映画レビュー]
こんなに人に勧められない映画を初めて見ました。
見終わった後、映画館から出て、熱波の渋谷を歩きましたが、心は冷え冷えしていました。
このレビューは、『ザ・コーブ』って最近よくマスコミに取り上げられてるけど、どういう内容なのか、知りたい、
映画として興味がある訳ではなく、“情報”としてどう言ったカテゴリーに入るのか、興味がある・・・という人向けです。
どちらかと言うと、映画批評と言うよりも、『研究・解明』のカテゴリーに入る内容かも知れません。
まず、この映画の最大の“目玉”は日本でのイルカ漁の実態を盗撮した画像である事。
(残酷の一言です。心臓の弱い人、血が苦手な人、イルカに愛着を持つ人、は絶対に見ないで下さい)
イルカの肉を日本人が食べていると紹介されている事。
日本人がクジラ肉と信じて食べている肉は実はイルカの肉なのだと言う事実を暴露している事。(関係者は否定)
イルカの肉には高濃度の水銀が含まれていると証言している事。
残酷なイルカ漁を太地市達の人々は隠し続けている事。(立ち入り禁止の看板多数)
抗議に来た“外国人運動家”に暴言を吐き、警察に逮捕させた事。(手錠画像あり)
この和歌山県太地町はイルカを残酷な方法で捕獲し、世界の水族館へ輸出して莫大な利益をあげているという事。
(アニメでは太地町から放射線状に輸出ルートが伸びていて、まるでマフィアのシンジケートのようです)
イルカは知能が高く、感情があり、コミュケーション能力があり_とイルカの崇拝言語が多数羅列される。
などがフラッシュのように次から次へと映画の中に詰め込まれています。
最初の“魚場”を盗撮する映像は_
アフガンのテロリストの潜伏場所
北朝鮮の強制収容所
への潜入取材画像のように物々しい。
これが日本の漁村への取材映像なのか、と思う程、恐怖と敵意に満ちている。
そしてこの映画、『ザ・コーブ』の取材クルー達はイルカ漁の屠殺場面の映像を入手するのです。
そう言った物_一方的な主観に導かれて、見るもおぞましいイルカの屠殺現場を1800円払って有り難く見せられている私、に対してかなりの不条理感が湧きますが、ここは堪えて、この映画の問題点について、語って行きましょう。
まず、最初に気になったのが、イルカ捕獲の上、世界へ輸出される事。
オイチョット待て。
その行為は違法なのか?マフィアの麻薬じゃあるまいし。
買う方は責めないのけ?
私前にフランスでゴッホの絵を買った日本人の社長さんが『墓場まで持って行く』とコメントしたら『芸術作品は世界の財産だ!なんて事を!』と怒り狂ってるのを見て『なら売るなよ』ってかなりムッとしたのですが、これも、イルカの売買が許せないなら買う方も取材しろよ。
って事ですよ。
うわ〜この辺りからうさんくささプンプン。
イルカの水銀汚染値。
水俣病よりも高い数値の水銀の汚染が・・・
オイチョット待て。
イルカさんが汚染されてるのなら他の魚もがっつりやられてるのでは?
アサリを食べるタコさんやイカさんだって水銀溜まってるのでは?
この辺り、水銀の脅迫でイルカ漁をやめさせようと言う、悪意に満ちた作為を感じる。
勿論、水銀が含まれているのも事実でしょう。しかしあからさまに、ことさらイルカにだけが水銀がたまってるようなサブリミナル映像は日本人に向けた物なのか。
『日本人は水銀が解り易い食物汚染だから水銀溜まってるぞ、と脅かそう』っていう悪意が込められてるようにも見える。
まるで地球の、海水の汚染を全てイルカが引き受けている様な描き方です。
極端な表現だ・・・・
知能が高くてコミュケーション能力があり、素晴らしいイルカ達・・・が
水銀にメッタメタに汚染されてるなんて、大変じゃないの?
まず海洋汚染止めさせる事。
そっちも大事なんじゃないの?
イルカを神々しくさえも感じられるように賛美しておきながら、『高濃度の水銀に汚染されてる危険な動物』
ってなんか、破綻してませんか。
このテーマ。
そうだ、最初に感じたこの作品への感想。
「うさんくさい!」
これですね。
全編見るとイルカ漁良くない!絶対ダメ!ってなるけど、冷静に見ると、「イルカ漁だけがなんでこんなに批判されるんだ」というシンプルな疑問が残る。
つまり「イルカ漁は残酷だ、絶対ダメ」「なんでイルカ漁だけはだめなの?」
って言う不条理な感情が残るだけです。
前述しましたように、これは「洗脳映画」だと思いました。
上映前に反対運動が起きたようにこれは「反日映画」なのか?と問われれば、「そうでもないような・・・」
と書くしかないようです。
しかし、偏見に満ちた映画だ、と言う事はハッキリ言える。
一見、イルカの水銀値などに言及し、日本人の為を思ってのコンテンツもあるように見えますが、イルカにだけ水銀が含まれてる訳でもなし、日本への知識があまりない人たちにいきなり水俣病の事例に触れるのは、やはり恣意的に日本についての偏見を植え込む為の作品であるように見えてしまいます。
イルカ肉=くじら肉を食べる率の高い漁村で、奇形児などの出生率が高いという報告はありますか?
日本人についての愛はないが、知能があり人間とコミュニケーション能力があるイルカには愛がタップリある映画だという認識を持ちました。
イルカ>>>イルカやクジラを愛する人々>>>>>>>>日本人
こういう感じですかね。
イルカを頂点として日本人を下位にした選民思想的な物をじんわり感じました。
勿論、残酷な方法でイルカを屠殺するのは動物愛護の精神に反するし、保護団体に対して暴言や暴力を振るうのは
控えてもらいたい、と思いました。
しかし、何故か映画館を出た後この映画の制作者達に強い怒りを感じました。
私はクジラ捕鯨に反対で太地市のイルカ漁はやめて欲しい、と思ってるのにもかかわらず、です。
何故でしょうか。
この映画製作者達に、イルカ漁やクジラ漁を生業としてきた人たちに対しての一切のリスペクト、気遣いを感じられず、コミュケーション能力の未発達を感じたからでしょう。
そして、その次に感じたのが
取材費どっから出たんだ?
です。
手作り感溢れる小作品ように作られていますが、実はお金のかかったドキュメンタリー映画だと思いました。
プロパガンバ映画です。
不愉快な映画だ、という事だけは認識しました。
それだけです。
イルカに限らず、牛や豚や鶏を処理する場面を映画にして、
不快な思いをするのは、良い悪いとは別の話ですよね。
by manamana (2010-07-28 07:16)
manamanaさん、コメントありがとうございます。
そういう事、なのですよね。
これは映画として、観客からお金貰ってるという事に対して、どうよ?
と思ってしまうのですよ。
そして、イルカと捕鯨反対って判りますよ、別にそれに何も問題を感じません。
しかしこういう手法でイルカ漁反対を訴える事に関して、何か不当な物を(アンフェア)を感じます。
鶏を聖なる動物と考える団体がケッタッキーフライドチキンに対して
こんなムービー作るかな、と極端ですが考えてしまいました。
by kitazawa (2010-07-29 14:01)
あんたバカだね
イルカが汚染されてるなら、他の魚もがっつり汚染されてるんじゃないか?
だってぇ?
生物濃縮って言葉知らないのかよ
頭悪すぎ
by た (2010-10-13 18:05)