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不毛地帯 第五話 感想 [ドラマレビュー]

戦争と三人の女 感想です。
全く、このタイトルではドラマの内容に相応しく無い。(壱岐の奥さん空気)
本当なら「激戦!情報網を捉えよ!中東戦争で丸儲けするのはどっちだ!」
とかでしょ。

戦争と女、ああ、そうか、この戦争は商戦とそれに係る女達と言う事なのかな。
一話で逃した女性層を取り込もうという必死さが・・・痛々しいナ。

まず、イスラエルという国がどういう国か、何故中東戦争が起こったのか、という基礎
がないと、この回の流れの早さは(´・ω・)ポカーンだったのでわ・・・

今回のお話は中東戦争で回船で商社が利権を求めて争う感じですかね。
判りにくいのは、壱岐が回船問屋みたないな目利きをしてるんだ、という大まかな説明が無いからなんじゃ。
私なら、狂言まわしをいれるなぁ。
あのブン屋でも良いし、あのイケメンでも良いし、壱岐がやってる事、やろうとしてる事、その利益は何なのかという事を中盤にポイントとしてちゃんと入れないと。
変な所は視聴者に丸投げなんだなぁ。

アカバ湾が封鎖されると、スエズ運河を通れなくなり、大きくアフリカ大陸を迂回して
世界へ石油が供給される。
何故アカバ湾を封鎖するのか。
アメリカとイギリスがイスラエルに莫大な援助をしてる訳で、そうするとアラブ諸国は脅威たまらんという事で、封鎖してしまうんですが(もっともかな)
ようするに、イスラム教徒の国の集合体の中に一つ、アメリカとイギリスに支援を受けているユダヤ教徒の植民地が出来てるような状態で、これを誘導したアメリカとイギリスの第二次世界大戦のイスラエルへの戦後支援は火薬庫に火種をつぎ込んでいるような物ですが、あまりその辺りの状況説明はなかったですね。

それで、第三次中東戦争が起こる事を予期した壱岐の活躍!というのが今回の見所でしょうが、カメラワークのその、なんて言うか、ヘンテコ感というのが、ビックリでして、それに驚いていたら一時間終わっちゃったというのが今回の感想ですね。

誰も書いてないけど、このドラマのカメラワークをやらせてる人は多分学生でしょう。
いや、幼稚園生かな。
壱岐が元上司の所へ行く時の変なシーン。
あれ、要りますか。
壱岐が歩くシーンがそんなに重要なのれすか。今回はー。

それと、二頭対立の書き分けがメチャクチャ。


つまり盛り上がりの焦点の商戦の内容が(壱岐VS鮫島)のクライマックスなのに、それがどのような商益を取り込めるのか、というストレートなイメージが全然見てて伝わって来ない。
玉取るのはどっちや!みたいな盛り上がりなのに、その玉って何なのか、解らない。
ただ大騒ぎしてるだけ。
鮫島も好演と言うより、怪演で、お茶の間の共感を取り込めない。
商戦なんだから悪役なのは可笑しい。
どっちも対等で同じくらい悪どいんだから。
同じく壱岐を逞しく描いて、悪徳商人の知恵者の表情もチラリと出さなきゃ。
貴公子然としてて、中東情勢のキナ臭さを嗅ぎ取ってチャンスをモノにする
商社マンに見えないんだな。

つまり、主人公を応援したり心配したり、というシンパシーが全然湧かない。
ドラマとして、致命的な欠陥だと思います。

これを見て違和感を感じない制作者の正気を疑います。


テレビ制作、ドラマ制作、脚本家を目指す人達はこのドラマをじっくり見た方が良い。
どうしたらこんなドラマを作らないようにするか、という事を考えた方が良い。

巨額の制作費、宣伝費、有名俳優、有名音楽家、有能な脚本家を集めても、どうしようもないドラマになってしまうものが出来てしまうんだ、という事実。
その意味ではこの不毛地帯は教本のように貴重な存在だと思います。

テレビ朝日のビートたけし、『点と線』が特別編とは言え、JINの裏番組の再放送
で14%だった事を考えると、「重厚さ」「難解」が避けられる理由とは言えない、と思います。
BOSSで盛り上げ、任侠ヘルパーで守った木曜日10時台の良枠を不毛地帯にしたフジドラマ制作の責任は重い。
二度とこんな事にならないように、よくよく反省してもらいたい。

役者は悪く言われ、スポンサーには迷惑かけて、良いとこなし。

言葉は悪いですが、一部の人だけが喜ぶ「喜び組」みたいに見えます。
この番組全体が。

50周年とかこつけて制作費を使い放題で一部の人向けドラマを作る。
フジテレビの社員は怒って良いと思います。
テレビの公共性を考えたら。


追記
この壱岐正のモデルになった瀬島龍三は昭和天皇から苦言が出る程のキナ臭い人物だったそうです。
昭和天皇が公に特定の人物に苦言を提するなんて、余程の事だったと思われます。

この人物を美化しようと言う意図がこのドラマ制作側にあるとしたら、それは昭和天皇のお言葉に込められた気持ちや祈りをないがしろにする人達でしょう。
そんな人達がドラマ制作に居るなんて思いたくありません。




ビル1.jpg
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gyaro

リメイク『点と線』、再放送で14%ですか、、、
もっといってもおかしくないドラマだったんですけどね~
とても好きなドラマでした^^
by gyaro (2009-11-14 03:34) 

kitazawa

gyaroさん、『点と線』良かったです。
リメイク版は石坂浩二さんがナビを勤め、あっさりとした作りでしたが、たけしさん、と特命係長のガチのぶつかり合いが良かったです。
なにより、たけしさんの刑事の視点で被害者を悼み、加害者を憎んで追いつめる所が、胸を打ちました。犯罪捜査というよりも、弔い合戦のようで、気迫に富んだ演技が心に残りました。
レビユーも書きたいです。
14%、大健闘だと思います。^^b
by kitazawa (2009-11-22 23:05) 

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