SSブログ

任侠ヘルパー最終回・感想。任侠ヘルパー映画化決定? [ドラマレビュー]

任侠ヘルパー最終回9月17日木曜夜10時放送。
草なぎファンとしてはこれは書かんとアカンやろ、と思ってたんですが、先週がゴタゴタしてたので、酒井法子の記事書いたら弾みが付きました。
2週間以上たっているので、もう感想も出尽くしたと思うのですが、私なりに・・・

任侠ヘルパー、フランス映画の余韻。
または彦一スマイルの味。
などがポイントです。
なんで任侠ヘルパーでフランス映画なのか、と問われれば、まぁ、個人的な好みの主観の問題です。

老人介護へ、人の道に外れた彦一達がいかにして、任侠を発揮するか、が全体的な見所で、各回に渡って、老人虐待であったり、介護施設の問題であったり、時に、介護老人が恋をしたなら、ヘルパーはどう関わるのか、などの、今までのドラマに無いジャンルのテーマに沿ってお話が進んで行きます。

クールにニヒルに決めて、言葉も態度も粗暴な彦一が、やがて深く濃く、老人達に関わり、捨て身で
問題を解決したり、また出来なかったりをもしながら、介護の世界に介入していき、ついには施設を老人を大切に思う人間に成長して行きます。

最終回、非認可の施設へ行き、かつて自分が平然とやっていた老人詐欺の電話を受け、愕然とします。その電話の反応は、既に彦一が、老人を人間と思っていなかった初回とは違う世界に入っている事を意味するのです。

ここで私は「うーん」と唸りました。
オレオレ詐欺って大学生の兄ちゃん達がやってる訳でしょ?
これは核家族が増えた事への意外な弊害なのかな、と。
私の周囲でも(おばあちゃんっ子)だった人は、老人に優しい。
私は両方の祖父母にはあまり縁がなかったので、そういう気持ちが少し判らない。
老人と身近な接点があれば、老人騙そうなんて出来ないですよね。
核家族は老人詐欺を産む温床なのかな?


草なぎ君演じる極道者の翼 彦一は、自分の意思ではなく、組の命令で老人介護に関わり、そこで初めて、車椅子でも、寝たきりでさえ、人情や温かい思いを持ってる事を知るのです。
極道の世界に生きて来た彦一の荒んだ気持ちは簡単には介護には傾きません、そんな単純な人間じゃないし、お気楽なはなしでもない、いつまでも彦一は不貞腐れつつ介護をして行きますが、ついに、最終回で、老人詐欺の電話を受けて嫌悪を感じた時点で、アイデンティティの崩壊を迎えるのです!
「へー」とまた唸りました。

第一話で悪どい老人詐欺やってますからね(この時の“悪魔の笑顔”がコワイ!)
そのビフォア、アフターをちゃんと描いてる。
時系列がきちんとしたドラマなんですね。ちょっとした大河、いや小河ドラマだ。

11話を通して、彦一の表情にあまり変化がなく、女社長に褒められた時に照れるくらいです。
問題が起きても、手を差し伸べなくてはいけない時も、むすっとした太々しい顔。
そして時に「ニヤリ」とした苦笑い。
いや、苦笑いでもないなぁ・・・シニカルな笑い・・・いや、彦一にしか出来ない、彦一スマイル。
ちょっと醒めて、ちょっと自嘲気味の、ちょっと歪んだ笑い。

彦一スマイル。

これがフランス映画に出てくる、ギャングみたいなの。
特に10話で彦一達の施設の女社長、羽鳥晶の元夫と羽鳥を挟んで対峙するシーン。
題名は忘れたけど、アランドロンの映画みたいだった。

お互い女を通して無言で警戒してるんですね。会話もしている。無言で。
大人の男同士なら、出来るんです、この女を引き合う探り合い。
“お前はこの女の何が望みだ?”と。

ラウンジで今後の生活について語り合う羽鳥と元夫そしてカウンターテーブルの片隅でコーヒーを
飲む彦一(あの事がなければ、スコッチウィスキーか、ブランデーならそのままフランス映画^^)

「くう〜草なぎ君、こないな大人の男の演技できるようになったんかいな!」と
また唸る私。そー、おーまいそー、私にとって任侠ヘルパーの醍醐味とは『彦一鑑賞会』
なんですわ。へへ。あとは刺身のツマ。(←他の共演者に失礼な!)

あとフランス映画にたとえると、ふる〜い名作「天井桟敷の人々」のバチストとガランスとの関係みたいだなー。草なぎ君、タップも良いけどパントマイムもやるといいのに。日本でジャン・ルイ・バローのバチストをやらせたいのは草なぎ君だもん。
天井桟敷の方は、ヤクザの情婦、ガランスと、俳優、バチストとの恋の行方的な展開で、あくまで
任侠と介護がテーマだったこのドラマとは全然似て非なる物ですが、あの10話の三角関係的な配置って女を挟んだ男のにらみ合い的なダンディズムを魅力的に見せていて、「へー日本のドラマでこんな無言の空間で三人の思いを演出する粋なシーンが作れるんだー」てまた「へー」(トリビアの泉か!)でしたね。
とにかく任侠ヘルパー全面に複雑な、フランス名作映画の雰囲気が漂ってるような気がするんですが・・・

びっくりしたのは彦一とりこ(黒木メイサ)とのキスシーン。
りこは悲願のヤクザ組織の幹部の座を手に入れ(彦一に譲ってもらった)今や手下を従える女親分。
介護施設で警官と大乱闘した彦一が、(出所?)海岸でりこと出会う。

このシーンが秀逸。
りこは軽く胸を張った仁王立ちの後ろ姿。
彦一は少し斜めに腰を落として所在なげに海の家の椅子に座ってる。

二人の立場とか、心境とか、そんな物がにじみだしてくる、良いシーンでした。
そして、ここからがただ者じゃない、りこ、強行手段に出ます。
会話で、彦一は羽鳥の元へ行くと悟ったりこ。
ずっと思い慕って来た彦一の唇ば奪おうって言う算段です。流石姉御。

海小屋の裏手に引きずり込んで、彦一を壁に押しつけ、強引に唇を奪うりこ。
あー美しい。あー彦一がうらやましい。あーりこが羨ましい・・・
ドラマ史上に残る名シーンと思います。

しかし謎。
なんで草なぎ君はいつも“奪われるキス”なの?
「メッセンジャー」でも飯島直子に最期唇奪われてたし、「スタアの恋」でも最期藤原紀香に唇を“授けられて”いたしな。
なんでやの?
草なぎ君はなんで受け身のキスなの?一歩前へでないの?ジャニーズだから?えー?

・・・なんかキスとか唇とか書いてたら気持ちが盛り上がって来た!
なんか私も奪いたくなって来たゾ、草なぎ君の唇!(←危険)

あ、いや、それで最終回ですね。ひまわりの花を持って。
花束を持って、彦一は羽鳥親子が入所している施設へ向います。
このシーンもフランス名作映画のかほり・・・
「うーん、“男前”になったなー」とまた独り言。

彦一のジッポーのライターの音で、正常な記憶が甦り、彦一に嫌みを言ってタバコを取り上げる羽鳥。ここは初回で、二回目あたりでさんざん交わされて来た会話なんですね。
この初回の会話が、最終回の結末の伏線になっているとは・・・
嫌みを言われた彦一「へっ」みたいな“お手上げ”笑いをするんです。
彦一スマイルで締めるのか・・・

「うーん」とまた唸る私。
ラスト、悲劇でもなく、安易なハッピーエンドでもなく(羽鳥は若年性アルツハイマーで進行加速中なのだから)どちらにも織り込まない終わり方に脚本家の意地というか挟持を感じました。
何か、視聴者へ「悲劇もハッピーもどちらかを期待した通りには持って行かない」という宣戦布告のような物を感じました。あえて、どちらにも落とさない、という。

たんなる続編へ向けての序章なのかも知れませんが。
任侠ヘルパーは全編を通して、視聴率が乱高下した草なぎ君主演にしては珍しい作品になりました。
この乱高下は、そのまま視聴者のこのドラマへ(どう向き合うか)といった混乱と動揺が見受けられるような気がします。中盤から安定指数を貫いたのは「とにかく、この難儀なドラマとつき合ってみよう」という視聴者が腹を括ったように思えます。
10話で視聴率が底冷えしたのは、羽鳥親子物語が、番組のテーマとずれていたからで、脚本家の挑戦の度が過ぎて視聴者に逃げられたように思えます。
彦一が見た施設の物語にしてはアルツハイマーになる羽鳥が現実感がなさ過ぎたように思えます。
(主役はブレさせたらいけない、というのが脚本の基本なんだそうで、だとしたら脚本家は初歩的なミスをした事になります。この脚本家はブログにファンから羽鳥の出番を増やして欲しいと嘆願され、それを10話で本当に実行しちゃったらしい、プロとしてあるまじき独善的な行為ですね、バカじゃないの)私も冒頭の夏川結衣のアップでチャンネル変えました。^^;;あれは・・・ねぇ・・・
脚本家が自分のコミニュティに来るゲストとのやり取りで内容を決め、それが実際に企画で通るなんてテレビ局もナメられたもんですねぇ。(コミケの同人誌レベル)
このドラマのテーマはヤクザの彦一以下任侠ヘルパー達の奮闘と老人介護を通して任侠に目覚める心の変遷でそこが見所でしょ。
色黒ヒラメ顔の子供店長と中年なのにアイドル並の演技力の夏川結衣の人気じゃないでしょ。

もっと羽鳥の悲劇は、子供店長の視点と、彦一の関わりで表現された方が、視聴者は安心してテレビの前に座っている事が出来たと思います。
あと残念だったが長時間かけたという入れ墨がなかなか視聴者に披露できなかったって事。
チラリズム過ぎ。^^;;;

全体的な感想は、脚本のきわどさ、あざとさがマイナスに出てる面と今までお茶の間で取り上げられる事の無かった老人介護の過酷で悲しい現実を描き出してるそのドラマ作りの勇気の見事さ、かな。
あと松平健さん演じる親分が、どうして彦一達をヘルパー修行に幹部の座をかけてやらせたか、その意図、という物が最後まで解りませんでした。
そして彦一に幹部が決まったのはどの点の評価だったのか。

他ヘルパー達が彦一とりこ、彦一と羽鳥の関係をどう見ているか。
二人の関係を見つめる事で、ヤクザへ戻るか、介護へ身を捧げるか、気持ちも変わって行くと思います。
お話が繋がらなかったのがちょっと不満です。
そして、任侠ヘルパー達が安直に“いい人”にならずに、極道者のやり方で介護問題を解決して行くのが面白い、と思いました。
彦一が真面目に介護をして自分を追い込んでる娘さんの包丁を捨て身で受け取って、それをダシにして、母親を施設に入れる決心をさせたり、介護施設の老人達の窮状を、警官隊と大乱闘する事で世間の眼をむけさせたり、“堅気”には出来ない仕上がりしてくれるんだなぁ・・・そこが面白かった。

草なぎ君の新しい魅力、と言いますが、年齢を重ねて行くにつれて、演技の幅が広がるのは、すばらしい役者の本領ですよね。
役者としての力、魅力、35歳でどんどん出てくるのは、むしろ当たり前で、もっともっと草なぎ君の演技がみたいです。クールな殺し屋でも良いし、社会派ドラマの刑事でもいい。
幅が広がる役柄を見せて欲しい。今が働き盛りですもんね。^^

任侠ヘルパー映画化決定?
週刊新潮買ってきましたが、年末にSPやって、来年夏に映画化決定だって。
公式よりも早く、関係者からのだだ漏れよりも早く、新潮と、東スポでスクープかぁ。
細かい情報なのでほぼ確定ですかね。

ちょっと複雑な気分ですね。
だったら、2クールやって欲しかった。
急激にヘルパー達に愛着を持ち、内容を理解し、介護問題と向き合い、何故か羽鳥親子の行く末を心配し・・・って正直、視聴者に無理強いもあったような、ジェットコースターみたいな番組でした。
その余韻、最終回でのお別れの気持ちが大きく揺れて、なんとも脱力した人も多かったのでは。
できたら、その気持ちの持続してるうちに、続編なり、SPなり、やって欲しかったなぁ。
(わがままだね)
なんか世の中上手く行かないですね、最初から続編と映画化を決定していた番組が大こけで計画が頓挫してたり、こんなに詰め込み過ぎの内容で視聴者が消化に苦しんでる時にもう冬やら秋やらの話が
出ても、本編を租借するのが大変で、もっとじっくり見たかったなぁ・・・という思いがあります。
ドラマ制作者側から見たら、嬉しい想定外だったのかな?この人気は。

それと、映画化なら、草なぎ君で別に任侠映画をやってもらいたいなぁ。
介護問題は「任侠ヘルパー」でじっくりやってもらったので、爽快な任侠映画でもいいじゃないですか。草なぎ君、痴呆老人にオシッコかけられたり、ガタイの良い兄ちゃん達にボコられるの、もう良いですって感じ。
もう少し、美味しい役でも良いんじゃないかな。

撮影も押して、草なぎ君は映画の宣伝と重なり、大変だった様子で、本当にお疲れさまという言葉しかでません。ドラマ制作者も不眠不休で撮影と編集が行われたみたいで、難産なドラマだったんだなぁ。と。労う気持ちで一杯です。

お盆の帰省とのりPの子供確保のテロップ、夏夫さん臨終の名シーンで地震のテロップ、最終回はのりPの保釈と謝罪会見ニュースで少し視聴率が削られたでしょう。
地震に嵐に雷にハードスケジュール(書いてて疲れてしまうような、大変さです)
そんな、マグマの噴火口から生まれたようなこのドラマ、異質ですが、ちょっと胸に沁みる、彦一スマイルを堪能できたこの作品、一生忘れませんよ!

このドラマの製作に関わったすべての人々に感謝!(メイサのゴシップはちょっとがっかり、せめて最終回直後は遠慮して欲しかった彦一&りこで和製ボニー&クライドみたいなの期待したりしてたんですが、女の硬派のイメージが崩れちゃった。^^;;)

テレビ月刊誌7月号のフジ木曜10時の内容が空欄になっています。
この雑誌の入稿ぎりぎりまで、ドラマの予定が立たなかったんですね。
撮影、宣伝大変だったでしょうね。

terebi08.jpg

テレビ1.jpg


    草なぎ剛     竹内結子(共演者)黒木メイサ (共演者)

             木村拓哉(二人に役をオファー)

     中村獅童   (夫婦)(離婚)   恋人(交際中)


なんなんですかね、この不思議な相関図。なんですか、一体。

黒木メイサ、草なぎ君のドラマのオファー、木村拓哉の映画のオファー、で、中村獅童から求愛。

    天下の美女に決定〜ですね。あーあ、^^;SPも続編も大丈夫かなぁ・・・


追記 週間文春に秋のドラマレビューを書いていた今井 舞さんはパンチで彦一が活躍するとか書いていましたね、ドラマを見ないで、書いていたのがバレバレ。結構なご身分で。

そ、それから、確か篠原ともえ、草なぎ君と仲良かったよーなー。
で、その後、獅童とつきあってるとか、あってないとか・・・?

他にも、草なぎ君の演技、話題などの記事もありますので、ゆっくりしてご覧になって行って下さい。^^

草なぎ君の主演男優賞での投票受付中!
http://research.news.livedoor.com/r/38667

BALLAD 感想

http://i-zumi.blog.so-net.ne.jp/2009-09-06

任侠ヘルパー再放送中断と酒井法子謝罪会見について。

http://i-zumi.blog.so-net.ne.jp/2009-09-30


追記

草なぎ君、僕生きシリーズの映画出演が決定し、すでにクランクイン。
竹内結子との共演で。

お蔵入りしたと以前に聞いた事があります。事件の影響で。
この新潮の記事はその映画との混同でしょう。
たいした事してないのに、映画はオクラ入り、謹慎させられ、謝罪させられ、ネットで叩かれ、マスコミで叩かれ
ほんっと可哀想。
けど、この事件で今まで離れていた古いファンも沢山復活したらしいし、新しいファンも増えたみたい。なにはともあれ、よかったです。

気になるのはコナミがビクターを買収したとの事。
コナミはきな臭い噂もあり、後々悪い影響がSMAPや剛君に出ないといいな、と心配しています。

このブログ記事は沢山のアクセス頂きました、有り難うございました。



nice!(5)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:テレビ

nice! 5

コメント 2

gyaro

扱い注意な部分も多いテーマですよね^^;
老人介護と任侠、この異質なもの同士の組み合わせで
新鮮なドラマが生まれたんでしょうね~♪
by gyaro (2009-10-04 11:01) 

kitazawa

gyaroさん、こんにちわ、うんうん、新鮮なドラマ、という表現がぴったりのような気がしました。色々な意味で新鮮でした。毎回、驚きを持って見ていましたから、美人で組幹部のりこを選ばす、年上でアルツハイマーになった羽鳥を選ぶ彦一。そのビターな選択に、任侠の真髄があり、制作者側が伝えたかった事が隠されてるような気がしました。見終わった後、余韻の残る、名作映画のようないいドラマでした。
介護問題だけではなく、任侠もしっかり描いてありましたvvv本当に任侠でヘルパーしてました。
by kitazawa (2009-10-07 11:35) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。